<全体感想>
まずはHCI市場は、2016 78億、2017 150億と順調に伸びてきている。
クラウド時代と言われるが、オンプレの需要はまだあることを示している。
ちなみに富士通製品で40機種がHCIに対応している。
また、富士通のISM for PRIMFLEX(Infrastructure Manager for PRIMEFLEX)は、
工場でHCI構成を組んでくれ、データセンターに納入してくれる。
では、現場では何をすれば良いか?という事ですが、
ISM for PRIMFLEXの管理コンソールでどのディスクを仮想サーバを構築する際に使用するか?
などのストレージポリシーを作り、仮想サーバを構築するだけで良い。
ストレージポリシーとは、例ではあるが、速さを求めるシステムで使用する仮想サーバの構築の時は、
SSDに仮想サーバを構築するポリシーAを作り、速さを求めない仮想サーバの場合はポリシーBを作り、
仮想サーバを構築する際に使用するポリシーを選択すればあとはどのディスクに仮想サーバを構築するか?
自動で判定して構築できるというものです。
ISM for PRIMFLEXは、ラックの構成図も自動でしかも画像で作ってくれる。
そして、ありがたいのが他社製品のネットワーク機器も含めて、ネットワーク構成図を書いてくれるのです。
これは正直現場の人間からするとラック構成図を書かずに画像を設計書などに貼り付けるだけで済みますし、
ネットワーク構成図も設計書に貼り付けるだけで済みます。また、シングルポイントを探すこともでき、
どこのネットワーク機器が冗長化されていないので、故障した時に「大変なことになる!」とネットワークが
苦手な人間も判定することができます。
ちなみに工場でのキッティングはどのような事をしてくれるのか?というのは、IPアドレス、ネットワーク設定、
アカウント情報の入力などをしてくれ、あとはデーターセンターに設置しただけですぐに仮想サーバが
構築できるようになるそうです。
では構成図など以外になにができるのか?ということですが、温度以上、リソース状況、ログ収集、
ノード増設も可能とのことです。
Windows Admin Centerとは若干違いますが、管理下にあるサーバを一つのコンソールで見ることが
販売しているので、その販売数や金額はVMwareの販売金額に乗っけられているものと思います)
(また、HPE SimpliVityなどもVMwareを担いでいるので実際は、HPE製品もVMwareにカウントされている
ものと思います)
これからIoTデバイスは500億デバイスになり、データは163ZBになるそうです(2025年)。
ちなみに1ZBは4階建てデータセンター1000基分らしいです。
<ストレージポリシーとは>
仮想マシンを中心にストレージ要件を決めポリシー適用することによって必要なリソースを払い出します。
外部ストレージで必要だった事前の設計や設定作業が大幅に少なくなり、オンラインでの要件変更も
行えるようになりました。
バックアップやDRのためのレプリケーションを行う場合はさらにストレージ同士が同機種であり
ソフトウェア機能も合わせて、作り込んだ設計が行われていたと思います。
<vSANについて>
vSANは手組でもできますが、ISM for PRIMFLEXで組んでもらう事の方が楽だと感じました。
先にも挙げましたが、ラック構成図やネットワーク構成図も作ってくれますし。
vSANは重複排除や暗号化も自動で設定されるようなので、その点はありがたいですね。
また、VMware Cloud Foundationを使用すればVMware Cloud on AWSともつなぐことができます。
一度頓挫したものですが、今回は大丈夫そうですね。
また、vSAN Native Data Protectionというのも導入されるようなので、
困っていたバックアップもどうにかなりそうですね。
現在vSANは、山形銀行、スズキ、アットホーム、カプコン、
みずほ銀行などでも使われているようです。ヨーロッパの海軍でも使われているようです。
vSAN+ISM for PRIMFLEXは、戸田市などでも使われており、
最近ではSQL案件も増えているとのこと。vSANオールフラッシュ構成が増えているとの事です。
<Windows Server 2016のHCI>
なぜHCIが導入されたのか?としっかり説明されていたのがこの回の登壇者なので、
私はこの回の説明は好きでした。
現場では、EMCのディスクしか触れない、NetAppのディスクしか触れないエンジニアの切り出しを待ち、
その人間はそれしかできないのにふんぞり返るということがサーバーエンジニアのボトルネックや
ストレスでした。
また、ドライバーが合わないとかストレージ製品とサーバ側の相性が悪いなどで
増設できないなどもあるので、そういったことが要件定義をする際のストレスでもありました。
そういったストレスからHCIは解放されますよという熱いメッセージが登壇者から伝わりました。
営業寄りの人には伝わないかもですが、本当にあのストレスは、何と言いますか・・・。辛いわけです。
ちなみにWindowsの場合、S2Dというキーワードが出てきます。これはなんですか?と言いますと、
記憶域スペースダイレクト(Storage Spaces Direct)の事です。Sが2個にDirectでS2Dです。
仮想ディスクの記憶域レイアウト(シンプル構成はあえて抜いています)で、
最少は2台で双方向ミラーも組めますし、3方向ミラーやシングルパリティやデュアルパリティなどもあります。
Windows Serverは何が良いの?と言いますと、Datacenterエディションを使用すると
他のライセンス料金がかからずに済むというのが良い点ですね。
ちなみにHyper-Vはいまいちなんだよね?と言う人がいますが、
Server2008で知識は止まっているのか?と思ってしまいます。
Azureでも使用されていますからね。性能もVMwareともさほど変わりませんし、
料金も安く済むので、Windows Serverもありなのでは?と思います。
あとは別途ライセンス費用などを支払わずともVHDファイルの盗難対策などもできるのも良い点ですね。
パフォーマンスはRDMAでCPU使用率は改善され、NVMeを使用すれば、
通常のSSDよりも3.5倍の速度になります。
面倒だな?と思う点は、フェールオーバークラスタを構築してから
S2Dの設定をするところですね。
その点を考えるとHCI PRIMEFLEXを頼んで、工場で設定してもらい、
データーセンターに納品してもらうのもありだと思いました。
私はセットアップしたい派ですが(笑)
最後にこのWindowsの回を聞いて思ったのが、VMwareのHCI PRIMEFLEXと
どのくらい価格差があるのか?という点です。
ここがユーザーの知りたい点かと思いました。
ただ、VMwareさんの前でその点は出せなかったものと思いますが。
中小向けに考えたらすぐに導入でき、このS2Dはありかな?と思います。
大企業の導入がどこまで進むかがServer 2019のリリースに向けての課題かな?と思います。
<最後に>
・ PRIMEFLEXは、増設時に1Uや2Uのサイズのディスクやメモリなどすべて収まったサーバを増設せずに
メモリだけが多い、ディスク容量が多いノードを追加するなどができるそうです。
・また、数年経つと導入時の機種がない!ということがあるかもしれませんが、PRIMEFLEXは
それが考慮されており、最新機種を追加分として、構成できるそうです